株式会社輸送経済新聞社様が発行する物流情報紙「輸送経済」にForward ONEサービスが取り上げられました。以下に記事を転載いたします。尚、記事は輸送経済新聞社の承認を得て掲載しております。
物流DX新潮流を探る CASE10 日新
(2021年9月28日号 佐藤周)
日新(本社・横浜市、筒井雅洋社長)は、顧客との接点多様化にデジタルを活用する。急速な勢いで変化する国際物流に合わせ、従来の訪問営業に加え、WEB上などでの接点も用意し、強みの顧客視点の一貫営業につなげる。そのためにも、既存のビジネスモデルを見直し新たなモデル構築につなげ、競争優位性を確保しつつ情報発信を強化して、日新のファンを増やしていく。
多様な接点でファン拡大 変化先取りし優位に
日新でDX(デジタルトランスフォーメーション)を担当する物流DX推進室は、2年前に物流商品開発室として発足。4月に改称し営業関連に特化したDXを担う部署として再スタートを切った。
オンライン活用など4視点軸に
現在、物流DX推進室が進めているのが、①フォワーディング業務のデジタル化を目指す「フォワードワン」の進化②貿易業務全体のデジタル化を推進する「トレードワルツ」との連携③物流容器の開発・管理・運用を行う「ハコラボ」④国土交通省が推進する港湾物流業務の電子化の取り組み「サイバーポート」への積極的な参加ーーの4点だ。それぞれの取り組みを関連付けながら、国際物流全体の合理化・効率化を図る。
フォワードワンは、専用のホームページを通じて、国際物流の各段階を可視化する取り組み。これまでは、対面や電話でのやり取りが中心だった業務を、デジタルでもできるようにする。「30代以下のデジタルネイティブ世代では、まずデジタル上での接点や運用を求める。このような若い世代に訴求していきたい」(田原雄介物流DX推進室長)。
トレードワルツは、NTTデータや商社などが中心となって設立したスタートアップ企業。荷主向けに貿易書類の電子化サービスを中心に開始したが、多くの利用者はトレードワルツに物流機能も求めていた。日新としても、「貿易全体のデジタル化に貢献することで、新たな顧客との接点や既存の顧客へのサービス向上につながると判断し出資につながった」(同)。今後は、物流に関する知見を加える提供していくと共に、既存顧客への利用促進などで協力していく。
一方のハコラボは、実務者ならではの視点だ。物流で、容器が果す役割に着目。管理・運用を通じて、容器の偏在や滞留といった物流課題の解決を図る。また、新たな容器の開発や提案を通じて、顧客のニーズに沿った物流を構築する。今後、継続的にブラッシュアップしたい考えだ。
実務持つことが今後の強み
田原室長は、現状の国際物流のデジタル化は「入り口だけデジタルといっても、バックヤードでは個別の電話や手作業などが残っている状態」と指摘。今後バックヤード作業も含めてデジタル化が進めば、仲介業務が減少し、「物流のアセットを持っていることがより重要になってくる」。
そこで現場で多くの負荷となっている、手配や事務作業を自社システムや、国交省のサイバーポートを活用して効率化し、顧客へのフォローなどより人材が生かせる業務に注力できる体制づくりを進める。
DX推進室の中川穣プロジェクトリーダーは、「従来の個々の従業員営業担当に依存する手法にこだわらず、新たな顧客接点としてオンラインも活用したい」とする。
国際物流の荷主として、製造業でなくアマゾンやウォルマートといった新しいプレーヤーが出る中で、「業界や社内の慣習にとらわれず、企業理念の日々新たにの精神で進めていきたい」(中川リーダー)。
田原室長は、「DXを通じて、情報の即時性や可視化といった部分がこれまで以上に多様になってくる」、中川リーダーは、「情報収集の在り方と速度が大きく変化している。サービス提供と共に、その発信方法についても柔軟に検討し、当社のファンを更に増やしていきたい」とする。